ナレッジ蓄積について

ナレッジの蓄積について、ちょっと考える機会があったのでちょっと自分の考えをまとめてみます。
ナレッジ蓄積について考えたきっかけは、知り合いの参加したセミナーで「ナレッジ蓄積に重要なのは仲介知だといっていた」という話を聞いたことです。
内容としては、大体こんな感じ。

ナレッジを蓄積するためには、熟練者の持つ暗黙知をいかに形式知にするかが重要だが、熟練者ほど初心者が何が分からないか分からない。そこを埋める「知」が重要になる

この内容が間違っているとは思いませんし、個人レベルでは、今後重要になるスキルかもしれません。でも、これがナレッジ蓄積が上手くいかない要因ではない、と自分は感じました。そんなわけで、じゃあ、ナレッジの蓄積で何が重要だと自分が思っているかを考えてみました。

自分が思うナレッジ蓄積が上手くいかないケース

蓄積したナレッジに対してどこにどのようなものがあって、自分に必要なものがどれかをすぐに見つけ出せるようにする仕組みを作れないことが、ナレッジ蓄積が上手くいかない原因だと思います。たとえば、特定のテーマに対して資料をまとめて共有サーバーにファイル溜め込むだけでは、そのようなファイルがあることが認知されず、結局使われない無駄な蓄積になります(自分の会社ではまさにこの状態)。

ナレッジ蓄積に対する過去の自分の試み

ナレッジを蓄積するため、一昔前にwikiを利用していました。試行錯誤の末、仕組みとしては非常に良いものができ、自分のプロジェクトでは非常に上手く利用できていたと思います。
ただ、自分が管理者のプロジェクトにはかなり上手く活用できたものの、それが他のプロジェクトに広がることはありませんでした(利用者は非常に便利だと感じてくれていたのですが・・・)。そんなことがあって、蓄積の仕組みだけ上手く作って、利用者がその有用性を認めてもらえてもそれだけで広がっていくことはないんだなぁ、と感じました。
自分のプロジェクトがどれだけ上手くいっていても、それだけだと他のプロジェクト管理者にその仕組みが広がっていかないんですよね(wikiのプレゼントかもしましたが、それだけだと全然足りていない感じがしました)

ナレッジ蓄積に対して自分が重要だと思うこと

ナレッジ蓄積のポイントは、蓄積するための優れた仕組みに加え、組織全体で同じ仕組みを使用して蓄積していく(少なくともその組織のプロジェクトの管理者全員が同じインフラを使って蓄積していく)ことが必要だと思います。
でも、管理者は自分なりの管理手法や主義主張があり、ある程度の規模の組織が途中からはじめるには後者はかなり難しいように思いますね。「かかる労力に見合う効果があるの?」って言われたら、相手を納得させるような説明をするのも難しいし・・・

最初に感じた違和感

「仲介知の問題なんかもでてくるかなぁ」と思うのですが、企業レベルでみると問題としては枝葉の部分だと自分が思っているから違和感を感じたんですね。でも、ナレッジの蓄積に対して自分の考えをまとめるいい機会になりました。